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今月のエッセイ

『私と亀の出会いとこれから』タカハシサトミ



みなさまこんにちは。タカハシサトミです。
新型コロナウイルスによって世の中がガラリと変わりつつありますが、いかがお過ごしでしょうか。
こんな時ですが、今回は私が(一応)亀作家でいる今日までの経緯を振り返っていこうと思います。

私の実家は川縁に建っており、母と姉の影響で生き物や図画工作が好きでした。
特に身近な小動物に興味があり、物心ついた時にはカワセミや川魚、昆虫、カエルなどの絵を描いたり折紙や粘土の工作をしていました。
通っていた小中学校も川の近くにあり、小学5年くらいの頃に亀を飼い始めた友人が教えてくれたイベントが手作り亀グッズ即売会「カメDE show!」でした。
その頃の友人達の影響で私も亀を川で拾うなどして飼い始め、カメDE showにも遊びに行きました。
飼い始めた亀に愛着が湧き始め、カメDE showという亀愛で出来たイベントで会った出展者の方々や作品の数々に魅了された私は、将来自分も出展者になることを志すようになりました。
中でもみのじさんというイラストレーターの方に感銘を受け、描くことに重点を置いていましたが、ぬいぐるみや粘土、ビーズ作品も好きだったため中学では編集局で校内新聞の入力や挿絵を 担当しながら手芸部で作家さまの作品を真似たりしました。

動物が上手く描きたいという理由で農業高校の畜産科学科に進み、家畜や田園の生き物、実験動物をこっそりスケッチしながら漫画文芸部でコミックイラストを描いて部誌にしていました。
その後はイラストレーターとしてグラッフィックデザインの技術を身につけるべく専門学校に進み、在学中に製作した作品でカメDE showに初めて出展しました。
その当時は作品数も少なく不安だったため、高校の頃にフェイクスイーツや手芸が得意だった友人を誘い一緒に出ていたことがきっかけで、お互いの作品の方向性が別れた今でも、 カメDE showはその友達と一緒に出展し、コラボ企画をさせて頂いています。

卒業後は転職などありましたが、グラフィックデザイン、DTP(本の組版や編集)、画像加工の仕事を平日こなす傍、いきもの関連の企画に出展させていただいておりまして、昨年には念願 だったカメDE showのメインビジュアル及びDM、バナー広告のデザインを担当し、家族や友人を始めフォロワーの皆様まで私が生きる上で関わってきた本当に幅広い皆様にご来場いただくことができました。
本当に今まで目指してきた夢が叶ったような実感が湧いて、終了後の打ち上げでは涙が溢れました。
今まで一緒に暮らす亀達からもらった癒しや愛らしさを気軽に手にとって楽しんでいただきたいという思いで、グラフィックの技術を活かし雑貨やポスターにするためにイラストを製作してオリジナル商品として 販売したり、大好きなアカミミガメが外来種として問題になっている事を受け、ちょっとした学習ができるハンドブックを製作したり、亀の体の仕組みが学べるクリアファイルなどを手がけてきましたが、 理科美術協会での活動の際には動物園の生き物を見るように見ていただけるリアルな原画や、亀について学習できるパネルを展示し、一般より少しコアに亀に親しんでいただける企画を考えております。

ですが、今回のウイルス感染拡大を受け、今年度の出展は委託や通販を除き、殆どが中止か延期になり、カメDE showも中止になってしまいました。
個人的にも製作意欲が減少していますが、友人と7月ごろから新たにコラボ通販の企画を立ち上げ進めております。
中々お会いできない日々が続いておりますが、製作を止めずに頑張ってまいりますので、ぜひ皆様、また何処かでお会いしましょう。

読んでいただきありがとうございました。