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今月のエッセイ

『バンクーバーの野鳥』渡辺靖夫




2015、6年秋にカナダブリティッシュコロンビア州バンクーバーに滞在しました。
Artist for Conservationでの作品展示、レセプションなどイベントの参加が主な目的でしたが、 私にとっては時間の合間を見てのバードウォッチングも楽しみの一つです。
北米大陸は過去に何度か訪れていますが日本では中々観察出来ない渡り鳥や、新大陸ならではの 種類が間近で観察できるのが魅力です。
カナダを訪れるのは初めてでしたが、スタンレーパークやグラウスマウンテンなどで様々野鳥を 観察することができました。
今回はダウンタウン周辺からも日帰りで簡単に訪れる事が出来る身近な探鳥地をいくつかご紹介 したいと思います。


スタンレーパーク:市街地の北西に隣接した巨大な公園で森や池があり、海にも面していること から様々な野鳥を観察することができます。
当地で目立つのはアメリカオシ、コマツグミ、ウタスズメ、キガシラシトド、キヅタアメリカム シクイ、ムナオビツグミなどいずれも北米大陸でしか見られない鳥たちです。 海岸ではオビハシカモメ、ワシカモメなど、湖沼ではオオダイサギ、ヒメヤマセミ、オビハシカ イツブリなどを見る事ができました。
最も手軽で多くの鳥を観察できるスポットだと思います。

バンクーバーの野鳥



グラウスマウンテン:ノースバンクーバーに位置するロープウェイで気軽に登れる人気の高い山 です。
こちらではハクトウワシやアオライチョウ、ステラーカケスなどの美しい姿やカラ類やキツツキ 類、ワタリガラスなど主に山地性の鳥を観察することができました。
山頂にはレストランやバー、ショップなどもあり、夜遅くまで営業しているので探鳥以外でも色 々と楽しむことができます。

バンクーバーの野鳥



バーナビーレイク:バンクーバーの西側に隣接する都市バーナビーにある大きな湖(湿地)です が、バンクーバーからは電車ですぐに行く事ができます。
主に水鳥や湿地を好む小鳥たちで賑わっていますがこの時はオオハシシギやカナダガンの群れ 、フタオビチドリ、サバンナシトド、オウゴンヒワのどの姿を楽しむ事ができました。
池の畔にはネイチャーセンターがあり、トレイルコースが整備され風光明媚なとても心地の良い 所です。

バンクーバーの野鳥



ホースシューベイ:ウエストバンクーバーにある小さな湾ですがフェリーターミナルがあり、ボ ートでのシーサファリで陸上からでは観察の難しい海鳥類や海洋生物楽しむ事ができます。
私は2回ほどシーサファリを体験しましたが、クロミヤコドリ、アライソシギ、クロキョウジョシ ギやアラナミキンクロの群れ、ハシグロアビなど北米大陸ならではのカモやシギチドリ類が見ら れた他、ゼニガタアザラシも多く観察する事が出来ました。
シーサファリは生き物だけでなく、海上から周辺の美しい風景を見る事が出来るのでとてもお勧 めです。

バンクーバーの野鳥



私自身バンクーバーは9月しか滞在した事がないのですが、環境の多様性があり、多くの生き物 を観察する事が出来るこれらの探鳥地では季節を問わず様々な野鳥を観察できるものと思います。 いずれ季節を変えて是非また訪れたいと考えております。