今月のエッセイ
『はじめまして』渡部ゆか
初めてのエッセイを書かせていただいています。
初めてなので、自己紹介がてらいろいろ書いてみたいと思います。
はじめに、画材の事を書きたいと思います。
私は墨絵を描いています。
アクリル絵具や水彩を使うこともありますが、メインは墨です。
「白麻紙(しろまし)」という和紙をスプレーで湿らせて、先を割った筆でにじませるように描いていきます。
以前、多摩動物園で開催された「りかびてん」の「一枚の絵ができるまで」という企画でも紹介させていただきましたが、何度も薄い墨を重ねて描いていきます。
写真などを参考に下図を制作して、その下図を下に敷いて描きますので、「絵の写経みたいだね~」と言われたことがあります。
絵を描いたことがなくても(下図をこちらで用意すれば)描けてしまう描き方です。
「絵を描いている」というと、「私は絵が苦手で~」とおっしゃる方によく会います。
なんて沢山の方がそう思い込んで「絵を描く」事を諦めてしまっているのだろう…と悲しくなります。
私はそういう方に出会うと必ず伝えています。
「絵が苦手な人はいないんですよ。「写実画」が得意でなかっただけで、子どもの時に「下手」だと思いこまされてしまっただけなんですよ。」と。
そしてお母さんが自分のお子さんが絵が苦手だとおっしゃる時は、もっと熱く語っちゃいます。
「絵は心の表現ですから、上手いも下手もないんですよ!全て認めてあげてください!」と。
ずっとこのように語ってきた私ですが、先日、お受験対策の絵画教室で教鞭を取られている方のお話を伺う機会があり、その手腕に脱帽しました。
「子どもの絵」は心や体の発達に伴い上達していくものですが、教え方によってはあっという間に上達させることができるのですね!
これでは「心の表現」ではなくなってしまい、本来の子どもたちの絵の意味が失われてしまうかもしれませんが、この時期「私は絵が上手い」という自信を持てると、これからもずっと描き続けていくでしょうから、長い目で見るとプラスなのかも…と思いました。
できれば、「先生に提出する絵」のほかに「自由に描いた絵」もご両親は褒めてあげると良いですよね。
そして、せっかく絵を描くことが楽しいと思えているのに、少し大きくなったら「絵ばっかり描いていないで勉強しなさい!」と残酷な言葉をかけないでいてくれると嬉しいですよね。
みんなが絵を好きになって、絵を描いていたら、争いなんてなくなるのではないかしら…などと思っている私です。
少々理科美っぽくない内容で失礼いたしました。
次に書くときは大好きな猫の事をいろいろ書いてみようかと思います。
我が家の猫 さくら