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今月のエッセイ

『3月のエッセイ』大見千代子




昨年の2月に参加した、RHS(王立園芸協会)のボタニカルアートコンクールについて書いてみようと思う。

RHSとは、ヨーロッパにおいてガーデニング・園芸の奨励を目的とする慈善団体である。

植物学者、博物学者、プラントハンターとして知られるジョセフ・バンクスら7名で1804年に最初の会議が開かれた。

現在RHSの活動でもっとも有名なのは、毎年5月に開催されるチェルシーガーデンでのフラワーショーである。

日本からもガーデニングのコンテストに参加され、計8回のゴールドメダルを獲得なさった石原和幸さんは有名である。

その協会において、ボタニカルアートのコンクールが毎年2月にロンドンで開催されている。

6月までに実物大コピーやデジタル画像を送り事前の審査を通ると、2月のロンドンのコンクールの出品資格を得る。

条件は、1つのテーマで6枚以上の絵の出品である。5年ほど前までは8作品以上が条件だったので、随分楽になった。

そういっても、事前に自分が絵を飾るボードの広さを申請したり、RHSの担当者の方とのメールのやり取りは何度もになるし、 用意されたボードに設置するのも、片付けるのも自分でしなければならないので、両面テープやキャプションを全て用意して 前日からロンドンに入らなくてはならないので、精神的に負担が大きい。

キャプションの字体が適切ではなかったと、ゴールドにならなかった人も記憶しているし、 結構大きい絵なので郵送したら税関で止まってしまい、審査の日に間に合わなかったという方もいらした。

午前に展示した絵は、その日の午後に審査を受け、翌朝会場に行くと自分の絵を飾ったボードの上にゴールドやシルバーギルト、シルバーなどのプレートが貼ってある。

会場ではアメリカ、オーストラリア、アジア、ヨーロッパの国々からの30数名の参加者と交流ができ、思いで深い良い経験ができる。

前回は「フルーツトゥリー」というテーマでシルバーギルトメダルを頂き、今回は「キリの1年の姿」と言うテーマで念願のゴールドメダルを頂くことができた。

次はドングリなど6種類を描いていこうかな、などと思っている。